製薬業界の平均年収ランキングを発表!アステラス製薬、第一三共は?

人々の健康と命に関わる医薬品を扱う製薬業界。

私の日々の暮らし・健康と関係の強い製薬業界は、社会状況とも深く関わってきます。

現在の製薬業界の状況を年収ランキングや市場規模から、そして今後抱えるであろう問題などもご紹介致します。

製薬業界の平均年収ランキング!

第5位 アステラス製薬株式会社 1,079万円

  • 売上高 1兆3,003億円
  • 純利益 1,646億円
  • 従業員数 連結16,617名
  • 本社 東京都中央区日本橋本町2-5-1
  • 設立年  1939年

2005年4月に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併し、アステラス製薬が誕生しました。

早いうちから海外市場を視野に入れた販売戦略を取っていたため、売上の約25%をヨーロッパ市場が、約20%をアメリカ市場が占めています。

第4位 そーせいグループ株式会社 1,087万円

  • 売上高
  • 営業利益
  • 従業員数 連結152名
  • 本社 東京都千代田区麹町2-1 PMO半蔵門11F
  • 設立年 1990年

中枢神経、ガン、代謝、特殊な疾患など広い領域に渡って研究を進めていることが特徴です。

東京にグローバル本社を置きながら、ケンブリッジ(英国)とチューリッヒ(スイス)に最先端の研究開発施設を有しています。

第3位 第一三共株式会社 1,103万円

  • 売上高 9,601億円
  • 営業利益 602億円
  • 従業員数 連結14,446名
  • 本社 東京都中央区日本橋本町3-5-1
  • 設立年  2005年

2007年に三共と第一製薬が経営統合し、第一三共となりました。

2025年へのビジョンとして、「がんに強みを持つ 先進的グローバル創薬企業」を掲げました。

第一三共の代表的な製品として、ロキソニンSや新ルルAゴールドDXなどがあります。

第2位 シンバイオ製薬株式会社 1,195万円

  • 売上高 42億円
  • 営業利益 ー29億円
  • 従業員数 連結78名
  • 本社 東京都港区虎ノ門3-2-2虎ノ門30森ビル
  • 設立年 2005年

医療ニーズの高い、ガンや血液腫瘍領域を対象として新薬開発に取り組んでいます。

2011年に、大阪証券取引所JASDAQ市場グロース上場しました。

第1位 ソレイジア・ファーマ製薬株式会社 1,576万円

  • 売上高 4億円
  • 営業利益 ー10億円
  • 従業員数 連結21名
  • 本社 東京都港区芝公園2-11-1 住友不動産芝公園タワー4階
  • 設立年 2006年

会社名のSolはラテン語で太陽、Asiaはアジア地域を指しています。

日本とアジア地域においてガンと向き合う人々を支えることが会社の一番の目的となっています。

2017年の3月に東京証券取引所に上場しました。

製薬業界の年収は平均と比べて高い?低い?

  • 40歳全体の平均年収・・・600万円
  • 40歳時点でのホテル業界の平均年収・・・731万円

40歳時点でのホテル業界の年収は平均と比べて「131万円」も高いことがわかりました。

製薬業界の平均年収ランキング1位〜5位まで、全ての企業が平均年収が1000万円を超えています

平均と比べても131万円を高いことから、製薬業界の年収は比較的高いことがわかります。

製薬業界の平均年齢、勤続年数、残業時間は?

次に製薬業界大手会社の平均年齢、平均勤続年数、残業時間、有給日数を見ていきましょう。

年収だけを比較するのではなく、残業時間や平均年齢など複数の視点で企業分析をすることでより深い企業理解をすることができます。

平均年収 平均年齢 平均勤続年数 残業時間 有給日数
ソレイジア・ファーマ製薬株式会社 1,576万円 48.4歳 3.7年
シンバイオ製薬株式会社 1,195万円 49.9歳 4.4年
第一三共株式会社 1,103万円 42.5歳 18.5年 14.8時間 11.1日
そーせいグループ株式会社 1,087万円 46.5歳 4.3年
アステラス製薬株式会社 1,079万円 43.2歳 17.8年 13.6日

上記のどの指標を重視するかはそれぞれ違うでしょう。ここでは分析のポイントをいくつか紹介します。

  1. 平均年齢は何歳か・・・年収が多少低くても平均年齢が低ければ生涯給与は高い可能性がある。
  2. 有休消化日数は何日か・・・有休取得可能日数と実際の消化日数を比べることが大切。取得率が低ければ有休申請しづらい社風の可能性も。
  3. 残業時間は何時間か・・・いくら平均年収が高かったとしても残業時間が多く、体を壊してしまっては元も子もない。

製薬業界の市場規模や動向は?今後の課題は?

製薬業界の市場規模

[box class=”pink_box” title=”製薬業界の市場規模”]
  • 国内:10兆5,141億円(医家向け製品の売上)
  • 世界:123兆4,880億円(医家向け製品の売上高、2017年、IQVIA)
[/box]

製薬業界の市場規模は平成17年から上昇してきました。世界的に見ると、日本の市場規模は、米国、中国についで第3位です。

しかし、今後の国内市場規模は縮小していくと懸念されています。以下に、その理由を見ていきましょう。理由は大きく2つあります。

  1. 薬価の引き下げ
  2. 安価なジェネリック医薬品の普及

少子高齢化の影響から、社会保障給付費における医療費が今後は年々増加していくと考えられます。

国内における薬剤費の引き下げは必至の事項となっているのです。

それに伴って、政府は、薬価の引き下げジェネリック医薬品のシェアの拡大を進めていく計画でいます。

ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品とは、正式には後発医薬品と呼ばれ、新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に販売される新薬と同じ有効成分・効き目をもつ薬のこと。

既に安全性や有効性が確認されているため、新薬の開発に比べて短い時間と少ない費用で開発することができる。

この流れによって、国内の製薬市場は中長期的に縮小傾向にあるとの見方が大多数です。

そこで、製薬メーカー各社が、縮小傾向にある国内市場ではなく、海外へ活路を見出そうとしています。近年、製薬メーカー大手各社が海外の製薬メーカーと業務提携、買収を行なっているのはこれが理由です。

製薬業界の動向・トピックス

国内の企業と海外の企業を比べるといまだに海外企業には敵わないのが現状です。

国内最大手の武田薬品工業が2016年のランキングでは17位国内2位のアステラス製薬が20位、国内3位の第一三共が25位という結果になっています。

25位以内には、国内企業が3社しかランクインしていません。

縮小する国内市場への対策として、海外市場へと拡大を図ることが市場縮小を防ぐカギとなってきます。

過去には、2005年4月に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併し、アステラス製薬が誕生しました。

2007年4月には三共と第一製薬が経営統合し、第一三共が誕生。さらに、第一三共は2008年、インドの後発薬大手ランバクシー・ラボラトリーズを子会社化する等、業界再編が続いています。

製薬業界にはどんな仕事や職種がある?

職種①:MR

MRとは、医療情報担当者のことです。薬の販売先である病院や卸会社に薬の正しい情報を伝えます。販売先からの薬への要望や意見を取りまとめます。

職種②:新薬開発

研究で解明されたデータを元に新たな医薬品を生み出します。

職種③:臨床開発

医師や医療機関などと協力し合い、臨床実験が順調に進むように調整する仕事です。

職種④:治験コーディネーター

治験責任医師・分担医師の指示の下で、医学には関わらない業務や治験に関わる事務的業務、業務を行うチーム内の調整など、治験業務全体を担います。

製薬業界で求められるスキル、能力は?

英語力

動向・トピックスでも説明しましたが、今後海外企業との関わりが増えていきます。

そんな製薬業界のグローバル化に合わせて、さまざまな業務を行う上での英語によるコミュニケーションは必須となっていくでしょう。

例えば、武田薬品工業株式会社のようにTOEIC730点以上を採用時に義務付けている企業も少なくありません。

責任感・倫理観

製薬業界では人の命に関わる医薬品を扱っているため、高い責任感と倫理観がとても重要になってきます。

医師、看護師、薬剤師と共に、人々の健康と社会を支える医療に関わる一員として、品質や安全に十分配慮した医薬品の供給を心がける必要があります。

おわりに

今回は製薬業界の平均年収ランキングに加え、市場規模や職種、求められる能力などをご紹介いたしました。

年収で見れば、比較的高く良い生活を送っていけそうに思えますが、そこには少子高齢化などと絡む課題などもあります。

そういったことは、しっかりとした情報取集をしなければ分かりません。

製薬業界へ興味がある方は、もう一度自分で調べ直してみると良いかもしれません。

      data-matched-content-ui-type="image_sidebyside"