アパレル業界の平均年収ランキング!今後の市場動向や課題は?

ファッション・アパレル業界の平均給与・年収ランキングを発表します。

今回は、アパレル業界の大手企業各社の有価証券報告書に記載されている平均年収を参考に、ランキングを作成しました。

転職を考える際に、平均年収は指標の一つになると思います。

本記事では、年収だけではなく、アパレル業界全体の現状・動向や今後の課題についてもご説明しています。

ファッション・アパレル業界への転職を検討している人は、ぜひ本記事を参考に業界知識を蓄えてください。

アパレル業界の平均年収ランキングTOP5!

第5位 株式会社しまむら 596万円

  • 売上高 5,651億円
  • 営業利益 428億円
  • 従業員数 3,171名
  • 本社 埼玉県さいたま市北区宮原町2-19-4
  • 設立年 1953年

全国的に展開する「ファッションセンターしまむら」が主力となっています。近年では、ITを活用し、商品の発注や値下げの自動化が進んでいます。

アパレル業界の中では、特に離職率が低いのが特徴です。

第4位 株式会社ワコールホールディングス 597万円

  • 売上高 1,957億円
  • 営業利益 125億円
  • 従業員数 20,904名
  • 本社 京都府京都市南区吉祥院中島町29
  • 設立年 1946年

「ワコール」や「ウイング」などの卸販売が主力。商品開発力には定評があり、体の動きを研究する人間科学研究所などを設けています。

近年では、中国米国にも積極的に進出しています。

第3位 株式会社ワールドホールディングス 647万円

  • 売上高 2,458億円
  • 営業利益 132億円
  • 従業員数 11,020人
  • 本社 兵庫県神戸市中央区港島中町6-8-1
  • 設立年 1993年

元々はニット婦人セーター卸で創業し、後に子供服やメンズを拡大し、国内大手まで成長しました。

百貨店やSC(ショッピングセンター)、ファッションビルに様々なブランドで店舗を出店しています。

第2位 株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ) 877万円

  • 売上高 1兆8,619億円
  • 営業利益 1,764億円
  • 従業員数 44,424人
  • 本社 山口県山口市佐山717-1
  • 設立年 1963年

アパレル製造小売業では国内トップ、世界では第3位。国内外で「ユニクロ」を約1,900も展開しています。「ジーユー」や「セオリー」のような低価格でカジュアルなブランドを多数持っているのが特徴です。

第1位 株式会社オンワードホールディングス 912万円

  • 売上高 2,430億円
  • 営業利益 51億円
  • 従業員数 4,530人
  • 本社 東京都中央区日本橋3-10-5オンワードパークビルディング
  • 設立年 1947年

紳士服、婦人服のアパレル関連事業を主力としていて、国内外に108社で構成されています。男性向けに高めのスーツを販売する「五大陸」、女性向けの「23区」などがあります。

フィットネス用品や海外にはレストラン、リゾートなど幅広く展開しています。

 

アパレル業界の年収は平均と比べて高い?低い?

  • 40歳全体の平均年収・・・600万円
  • 40歳時点でのアパレル業界の平均年収・・・500万円

アパレル業界の平均年収は、業界全体の平均よりも低いことがわかります。ですが年収ランキング上位の会社は業界平均を大きく上回り、アパレル業界内での差があることがわかります。

 

アパレル業界各社の平均年齢、勤続年数、残業時間は?

次にアパレル業界年収ランキング上位企業の平均年齢、平均勤続年数、残業時間、有給日数を見ていきましょう。

ここでは、年収だけを比較するのではなく、残業時間や平均年齢など複数の視点で企業分析をすることでより深い企業理解をすることができます。

平均年収 平均年齢 平均勤続年数 残業
(月平均)
有給消化
(年平均)
株式会社オンワードホールディングス 912万円 45.8歳 21.8年
株式会社ファーストリテイリング 791万円 37歳5ヶ月 4年5ヶ月 19.8時間 9.1日
株式会社ワールド 644万円 48.3歳 19.7年
株式会社ワコールホールディングス 597万円 47.2歳 21.1年 6.3時間 12.8日
株式会社しまむら 596万円 40.1歳 13.6年 3.4時間 9.1日

上記のどの指標を重視するかは人それぞれ違うでしょう。ここでは分析のポイントをいくつか紹介します。

1.平均年齢は何歳か・・・年収が多少低くても平均年齢が低ければ生涯給与は高い可能性がある。

2.有休消化日数は何日か・・・有休取得可能日数と実際の消化日数を比べることが大切。取得率が低ければ有休申請しづらい社風の可能性も。

3.残業時間は何時間か・・・いくら平均年収が高かったとしても残業時間が多く、体を壊してしまっては元も子もない。

アパレル業界の市場規模・動向、今後の課題は?

アパレル業界の市場規模

メーカー系:7兆4,490億円(繊維品、衣服・身の回り品卸売業の販売合計額、2017年、経済産業省「商業動態統計調査」)

SPA、小売:9兆2,202億円(国内アパレル総小売市場規模、2016年、矢野経済研究所)

金融危機やリーマンショックなどの世界経済が安定しないことによる消費の減少や、東日本大震災などの影響があって、アパレル市場は、芳しくない状況が続いていました。

しかし、近年の景気回復に伴い、以前に比べるとアパレル業界全体で右肩上がり傾向にあり、海外市場への進出も積極的に見られます。

ただし、同時に少子高齢化の深刻化・ネット販売の普及によって、百貨店や量販店での販売が中心の企業は苦しい状況が続いています。

アパレル業界の動向・トピックス

Eコマース・ネット通販の進行

Eコマース(電子商取引)が近年盛んになり、多くの企業が強化する動きを進めています。消費者の実店舗離れが進み、ネット販売が拡大しています。

例えば、「ZOZOTOWN」を代表としてネット通販での衣料品の販売が拡大しています。ネット通販では、どこでも簡単に商品の見比べることができるため、値引きクーポンなどによる価格競争が激しさを増し、安価な商品がネットで多く出回るようになりました。

衣料品の質の向上

機能性や素材、製造工程の見直しを繰り返すことで安価でありながら質の良い品を提供する企業が増えています。

ファーストリテイリングの国内「ユニクロ」事業は、2018年も増収増益を確保しています。また、雑貨などで有名な「無印良品」も国内でニットやカットソーなどの衣料品も売上を伸ばしています。

アパレル業界の課題

「モノ消費」から「コト消費」へ

近年では、消費者が「モノ消費」から「コト消費」を重視するようになりました。

「モノ消費」とは商品を所有することを重視することで、「コト消費」とは、旅行などの体験や思い出のような所有では得られない価値に重きをおくことです。

「コト消費」を重要視されるようになることで、商品を所有してもらうよう販売しているアパレル業界は直接打撃を受けます。

例として、しまむらでは2017年度に9期ぶりの減収減益を記録し、「Foever21」が国内第1号店の原宿店を閉店し、見た目だけでなく安さも兼ね備えた店舗が苦戦しています。

アパレル会社の売上高、営業利益ランキング!

アパレル会社の売上高ランキング

ここでは国内アパレル会社の売上高ランキングをご紹介します。

  1. 株式会社ファーストリテイリング 1兆8,619億円
  2. 株式会社しまむら 5,651億円
  3. 株式会社ワールドホールディングス 2,458億円
  4. 株式会社オンワードホールディングス 2,430億円
  5. 株式会社ワコールホールディングス 1,957億円

売上高ランキング1位は、ファーストリテイリングが輝き、他を圧倒しています。2位のしまむらも3位のワールドホールディングスとは大きな差がついていることがわかります。

アパレル会社の営業利益ランキング

  1. 株式会社ファーストリテイリング 1,764億円
  2. 株式会社しまむら 428億円
  3. 株式会社ワールドホールディングス 132億円
  4. 株式会社ワコールホールディングス 125万円
  5. 株式会社オンワードホールディングス 51億円

営業利益ランキングでは、売上高ランキングの1位と2位は変わらず、それ以外の順位の変動がありました。

やはり、ファーストリテイリングは営業利益でもダントツです。5位のオンワードホールディングスは大きな差をつけられてしまっています。

おわりに

アパレル業界の年収ランキングはいかがだったでしょうか?

アパレル業界の平均年収は平均よりも低かったですが、大手の企業はしっかりを上回っていましたね。

消費者は常に質の良く安価なものを求めます。そんな中、実店舗での運営を続けてきた多くのアパレル企業は安価さなどを強みに持つネット販売に苦戦を強いられています。

こうした動向は、普段お買い物をしているだけでは気づくことができないものです。普段のニュースや企業情報をチェックしてみると良いかもしれません。

      data-matched-content-ui-type="image_sidebyside"